世界的な知名度がある住友ゴムのタイヤブランドダンロップ。
2020年8月に新型のスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX03(ウィンターマックス ゼロスリー)」が発売されました。
WINTER MAXX03は「ダンロップ史上最高の氷上性能を実現した」とも言われており、メーカーもかなり自信がある仕上がりになっているようです。
今回は、高い装着率を誇るダンロップのスタッドレスタイヤの最新モデルWINTER MAXX03の特徴をご紹介すると共に、前モデルでもあるWINTER MAX02(ウィンターマックス ゼロツー)との比較もしていきます。
参考[乗用車]おすすめスタッドレスタイヤ比較・レビュー【2024年-2025年】
冬になると、雪が積もったり地面が凍結していたりと、タイヤにとって過酷なコンディションへと変わります。 このような路面を走行する時はスタッドレスタイヤの装着をおすすめします。 しかし、現在は様々なメーカ ...
続きを見る
参考[SUV・4WD]おすすめスタッドレスタイヤ比較まとめ【2024年-2025年】
ここでは、人気の高いSUVや4WD(四駆)車向けに発売されているおすすめのスタッドレスタイヤについてご紹介していきます。 今回比較するタイヤは、以下の7種類です。 【ブリヂストン】BLIZZAK DM ...
続きを見る
参考[メリット・デメリット]オールシーズンタイヤの性能比較
今回は近年注目度が高まっているオールシーズンタイヤについて様々な角度からみていきましょう。 なお、各メーカーから発売されているオールシーズンタイヤの商品比較については下記のページにも詳しく記載しており ...
続きを見る
参考【2024年-2025年】おすすめオールシーズンタイヤ比較・性能・選び方まとめ
ここ数年人気急上昇で販売数を大きく伸ばしている「オールシーズンタイヤ」。 もともとは海外のタイヤメーカーが導入を進めていましたが、最近では日本でも人気が高まってきており、国内メーカーからも優れた製品が ...
続きを見る
もくじ
WINTER MAXX03(ウィンターマックス ゼロスリー)はこう変わった
WINTER MAXX03は、前モデルのWINTER MAX02と比べ、大きく3つの性能が変わりました。
- 氷上性能を強化
- 静粛性能もさらに向上
- 耐摩耗性能重視から大きく転換
前モデルであるWINTER MAX02の発売は2016年と、かなりの年月が経過しています。その間にダンロップのスタッドレス性能技術もかなり進んだということがわかりますね。
スタッドレスタイヤは氷上や雪上だけでなくドライ路面も頻繁に走行しますので、一般的なサマータイヤと同じように静粛性や耐摩耗性の向上も念頭において開発されています。
それでは各性能について、一つずつ確認していきましょう。
1.氷上性能を強化
WINTER MAXX03一番のアピールポイントでもあるのが氷上性能の向上。
新技術である「ナノ凹凸ゴム」の採用により、タイヤ表面に無数の細かな突起物が形成されています。
この突起物が連続的に水膜を除去し、氷への密着を強化してくれます。
その結果、従来型のWINTER MAX02と比べて
- 氷上ブレーキ性能は22%向上
- 氷上コーナリング性能は11%向上
と、大幅な性能UPに成功しています。
2.静粛性能もさらに向上
スタッドレスタイヤはゴム自体が非常に柔らかく、転がり抵抗が大きいのでロードノイズが大きくなりがち。
その結果、アスファルト路面を走ると「ゴロゴロ」と不快な音が発生してしまいます。
しかしWINTER MAXX03は、トレッドのパターンピッチを21%増やし、路面との衝撃を軽減。ロードノイズの発生も抑えられています。
結果、従来型のWINTER MAX02と比べて騒音エネルギーの発生を17%低減しています。
雪が降っていない日常生活でも使用されるスタッドレスタイヤですので、静粛性の向上はかなりありがたいですね。
3.耐摩耗性重視から大きく転換
今回のWINTER MAXX03から大きな転換期を迎えます。
これまでダンロップが開発するスタッドレスタイヤは、ロングライフ、すなわち耐摩耗性能の高さを売りにしていました。
しかし今回のWINTER MAXX03は、耐摩耗性能を犠牲にしてまで氷上性能の高さを追求しています。
より過酷な環境で安心して使えるようなタイヤとして、他メーカーとの差別化を図っているとも考えられます。
もちろん耐摩耗性能がまったくなくなったわけではありません。WINTER MAXX03はタイヤが路面に接地した際、地面に対して均一に接地するような形状をしていますので、偏摩耗を防ぎます。
これによってタイヤが均一に摩耗するようになりますので、通常通り使用しても問題ない耐摩耗性能はしっかり確保されています。
WINTER MAXX03で採用された新技術
ダンロップ最新スタッドレスタイヤであるWINTER MAXX03には、多くの新技術が採用されています。
- ナノ凹凸ゴム
- パターン技術
- 液状ファルネセンゴム
これらの技術が組み合わされることで、圧雪アイスバーンやミラーアイスバーンなどの危険な路面でも安心して走行することができます。
他メーカーのスタッドレスタイヤと比べても決して引けを取らない性能を誇り、むしろトップクラスのスタッドレスタイヤと言っても過言ではありません。
ナノ凹凸ゴム
ナノ凹凸ゴムは、タイヤの表面にナノレベルで発生している凹凸がある構造のゴムのこと。
氷上でスリップの原因となるのが、氷の表面にある水膜です。
ゴムに凹凸があると、水膜を除去して氷への密着を強めてくれるため、スリップを防ぐことができます。
また、突起部分が水膜にいち早く届き水の流れを発生。そのおかげで除水をすることができます。
従来のスタッドレスタイヤよりもかなり早く除水できるため、車速が上がっても安定して走行できるようになりました。
さらにナノ凹凸ゴム自体が柔らかい構造をしているため、地面に接地した際の密着力も高くなっています。
しっかり地面に密着した状態であれば水膜を抱えることがありませんので、高いグリップ力を維持し続けてくれます。
ナノ凹凸ゴムはタイヤの素材自体のことを言いますので、摩耗が進んでもその都度凹凸が出現するようになっています。
摩耗しても安定したグリップを維持してくれますので、使い方よっては何シーズンも使用することができます。
パターン技術
後の写真でもご紹介しますが、WINTER MAXX03は、IN側とOUT側それぞれ異なるパターンをしています。
これにより多方向からのエッジを強化し、横方向のグリップ力も高めてくれます。
液状ファルネセンゴム
ゴムのしなやかさを長期にわたって保つ液状ファルネセンゴムが採用されているため、低温化でもゴムが硬化することはありません。
そのため、気温に関係なくナノ凹凸ゴムの密着力を維持し、どのような環境でも安定したグリップを発揮してくれます。
写真で比較するWINTER MAXX03とWINTER MAX02の違い
ここでは、写真でWINTER MAXX03とWINTER MAX02を比較してみます。
今回用意したのは、どちらも同じサイズのWINTER MAXX03とWINTER MAX02です。
ちなみにサイズは195/65R15 91QHです。
商品ラベルも多少変更があります。どちらも凍結路面での性能を前面に出しているのがわかりますね。
続いてトレッドパターンを比較してみます。
左がWINTER MAXX03、右がWINTER MAX02です。
WINTER MAXX03の方はブロックの形状が若干小さくなっているのがわかります。
氷上性能を良くするためにブロックを小さくしたようです。
アップでも確認してみましょう。
アウト側
イン側
WINTER MAX03は個々のブロックが平行四辺形に統一され排水性が良くなっています。
排水性の改善に寄って、氷上性能を向上させる狙いがあるのでしょう。
次にサイドウォールの違いです。
サイドウォールのデザイン変更はほとんどありませんが、WINTER MAX03は数字の03の部分がより大きく強調されているのがわかります。
まとめ
ダンロップが持っている新技術の組み合わせにより、大幅に氷上性能が向上して登場したWINTER MAX03。
あらためて氷上性能を見てみると、
- 氷上ブレーキ性能は22%向上
- 氷上コーナリング性能は11%向上
と、大幅に進化しています。
写真でもわかりますが、トレッド面の密度も多く、見るからにグリップが良さそうな雰囲気。
積雪が多い地域でWINTER MAX03はかなり心強い存在となってくれるのではないでしょうか。
当店ではダンロップのWINTER MAX03やWINTER MAX02だけでなく、国内外様々なメーカーのスタッドレスタイヤをお取り扱いしております。
各商品の長所・短所を含め、様々な観点からあなたのお車にピッタリのタイヤをご提案させていただきます。
もちろんタイヤに関しての疑問にもお答えさせていただきますので、お気軽に店頭のスタッフまでお尋ね下さい!