スタッドレスタイヤは、雪が降った時に車に乗る人には必需品のタイヤです。
なぜなら、ノーマルタイヤのままで走ると走行中にスリップしたり、滑って発進できなくなったりと大変危険だからです。
そして段々と空気が冷たくなる季節になると、スタッドレスタイヤの購入を考え始めますね。
でも、「スタッドレスタイヤは、一体いつ頃交換するのが良いのだろう」と思う人も多いのではないでしょうか。
今回は、スタッドレスタイヤの最適な交換時期(購入時期)についてご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
前提としてスタッドレスタイヤの交換は早めがオススメ
スタッドレスタイヤは、雪が降り始める前に履いたほうが良いと言えます。
なぜなら、雪が降り始めてからスタッドレスタイヤを購入しようとすると、次のようなデメリットが生じるからです。
- タイヤを販売しているお店が混み、交換の待ち時間が長くなる
- サイズの合ったタイヤが品薄になり、選択肢が少なくなる
- 最悪の場合、売り切れてしまい入荷待ちになってしまう
- 需要があるのでお店での値引き幅が小さくなる
- あまりに路面の状態が悪くなると、ノーマルタイヤではお店にたどり着けなくなる
上記のように、雪が降ってからスタッドレスタイヤに交換しようと思うと、様々な弊害があります。
スタッドレスタイヤを買い求めてお店に人が殺到すると、交換の待ち時間が2時間以上…なんてのもよく見かけます。
そうならないためにも、早めの交換がおすすめです。
多くの場合、スタッドレスタイヤを販売しているお店では「早期割引」などのキャンペーンを行っています。
早めに買うことでお得に、かつ幅広い選択肢から自分の車に合ったタイヤを選ぶことが出来ます。
ですので、繰り返しになりますがスタッドレスタイヤの交換は早めがオススメなのです
多くの人は10月頃から購入を検討しています
タイヤメーカーの横浜ゴムのホームページに、このようなデータが載っていました。

これを見ると
- 28.9%・・・10月
- 23.7%・・・11月
- 15.8%・・・12月
- 7.9%・・・9月
と、約3割の人は10月から購入を検討し始めています。
10月11月合わせた時期で考えると、全体の半分以上になるのはちょっと驚きですね。
地域別で降雪の時期に合わせて考えてみましょう
いくら早めに交換した方が良いとは言っても、日本は地域によって雪が降り始める時期は異なります。
そのため、ここでは地域別の初雪時期を見ながらスタッドレスタイヤの交換時期を考えてみましょう。
Wikipediaに初雪のページがありました。
日本国内主要都市における初雪および終雪の平年値(1981-2010年、気象庁、観測地点は2012年時点)のデータを引用します。
都市 | 初雪 | 終雪 |
---|---|---|
稚内 | 10月22日 | 5月2日 |
網走 | 10月31日 | 5月9日 |
札幌 | 10月28日 | 4月19日 |
仙台 | 11月24日 | 4月7日 |
新潟 | 11月24日 | 3月30日 |
東京 | 1月3日 | 3月11日 |
金沢 | 11月29日 | 3月28日 |
長野 | 11月21日 | 4月6日 |
名古屋 | 12月20日 | 3月7日 |
大阪 | 12月22日 | 3月11日 |
広島 | 12月11日 | 3月11日 |
福岡 | 12月15日 | 3月5日 |
宮崎 | 1月21日 | 2月7日 |
鹿児島 | 1月5日 | 2月16日 |
那覇 | なし | なし |
※画面の幅がせまい場合は表を横にスクロールできます
当然ですが、地域によってかなりばらつきがありますね。
上記はあくまで平均なので、年によっては初雪は早まることもあります。
初雪が降り始めるだいたい1~2か月前くらいの購入がオススメです。
例えば東京だと、11月後半から12月頭までには済ませておきたいところです。
ちなみに私たちのお店は埼玉県にあり、この辺の地域だと10月くらいになるとスタッドレスタイヤの「早期割引キャンペーン」が各店で実施されます。
そのタイミングで予約購入するのが一番お買い得だと思います。
新品スタッドレスタイヤは履き替えてすぐにその性能が発揮できないこともあります
新品のスタッドレスタイヤは、いわゆる「慣らし走行」をした方が良い場合があります。
多くのタイヤは製造から車に装着されるまでの間にゴムが劣化しないよう、外側と内部は異なる構造になっています。
簡単に言うと、薄い膜のようなもので覆われているイメージです。
そのため、だいたい100kmから200kmくらいは慣らし走行として、雪や氷ではない乾いた通常のアスファルトの上を走行することをおすすめします。
それによってスタッドレスタイヤ本来の性能を発揮しやすくなります。
そう考えると、やはりスタッドレスタイヤは雪が降り始める前に交換したほうが良さそうですね。
最近では、ブリヂストンの「ブリザックVRX」のように、装着初期から氷上のグリップ力を高めるための工夫がなされているタイヤも出てきています。
雪が降り始めてから交換する場合は、そういったタイヤを選択肢に入れるのも良いでしょう。
スタッドレスタイヤとサマータイヤの違いもおさえておきましょう
車検に通すことも可能で、そのままドライ路面も走行できるスタッドレスタイヤは、一見すると万能タイヤのように思うかもしれません。
しかし、サマータイヤと比べると劣ってしまう部分も存在しますので、ここでもう一度各性能を確認しておきましょう。
摩耗の進行具合
スタッドレスタイヤのコンパウンドは、凍った路面でもしっかりとグリップするために、柔らかい構造をしています。
当然ながらアスファルトの路面を走ると摩耗の進行が早くなります。
雨天時のグリップ性能
スタッドレスタイヤのトレッド面を見てみると、サマータイヤと比べて縦横に細かな溝が設けられているのが見えると思います。
このおかげで、雪が降り積もった路面でも安定して地面を捉えてくれますが、逆に溝が細かすぎると、雨を効率よく排出することができません。
サマータイヤは雨天時の走行も想定して作られていますので、効率よく雨を排出できるように、太めの溝が数本設けられています。
そのため、雨天時はサマータイヤと比べてグリップが落ちてしまいます。
ブレーキ性能
柔らかいゴムのスタッドレスタイヤは、夏場になるとゴムが柔らかくなりすぎて摩擦力が弱まってしまいます。
それ以外にも、ブレーキをかけた際の圧力にブロック表面にある細かな切れ込み(サイプ)が耐えきれず、ゴムが大きく変形してしまいます。
その結果、踏ん張りが効きかずに制動距離が長くなってしまいます。
燃費性能
柔らかいコンパウンドは転がり抵抗も大きくするため、燃費が悪くなる傾向があります。
また、スタッドレスタイヤは柔らかい分、タイヤの剛性を上げるために強度を増しており、その分重量が重く、燃費やハンドリングに影響を与えます。
スタッドレスタイヤの寿命もおさえておきましょう
スタッドレスタイヤの寿命は、残り溝の量と使用年数によって決まり、スタッドレスとしての機能を持つ期間の目安は、およそ3〜4年程度と言われています。
また、タイヤはゴム製品であるため、寿命の長さは保管状態にも左右されます。
直射日光や雨風を避けるためにビニールなどで覆い、タイヤの内圧を下げておくことをおすすめします。
スタッドレスタイヤの詳しい寿命や保管方法については、こちらで詳しくご紹介しています。
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スタッドレスタイヤから夏タイヤに戻すタイミング
ちなみに春以降もスタッドレスタイヤをそのまま履き続けると、グリップ力が落ちたり、乗り心地が悪くなったりするだけでなく、摩耗も早めてしまいます。
気象庁のウェブサイトでは雪や結氷の終日が確認できますので、スタッドレスタイヤの必要性がないと判断したら、なるべく早めにサマータイヤへと交換してしまうことをおすすめします。
こちらでは、スタッドレスタイヤをそのまま履き続けるとどのような影響があるのかについてご紹介していますので、合わせてご覧いただければと思います。
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まとめ
ここまでの話をまとめると、スタッドレスタイヤは降雪の1~2ヶ月前には交換した方が良さそう。
各地域の初雪日を調べ、その前1〜2ヶ月前を計算し、おおよその購入タイミングを決めるようにしましょう。
また、早めにスタッドレスタイヤを購入すると、早期割引をしているところも多いため、性能が高いスタッドレスタイヤを安く購入できることもあります。
反対に、12月など本格的なシーズンに入ってから購入すると、欲しいサイズが品切れでなくなっていたり、思っているより早く雪が降ってしまい、車に乗れないなんてことも十分ありえますので、早めにお店に行ってお得にスタッドレスタイヤを購入する方が良いでしょう。
新品のスタッドレスタイヤを装着したら、100km~200kmの慣らし走行をするのも忘れないでください。