外が寒くなってくると、スタッドレスタイヤの購入を検討する時期になりますね。
今回は最新の国内メーカースタッドレスタイヤを比較した記事になります。
新商品、旧商品含めて様々な角度から比較していますので是非ご覧ください。
なお、こちらの記事は主に乗用車向けのスタッドレスタイヤをメインとしたラインナップで比較しています。
その他の車種や最新の記事は下記もご参照ください。
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もくじ
今回比較するタイヤはこちら
BRIDGESTONE ブリヂストン
BLIZZAK VRX ブリザック ブイアールエックス
YOKOHAMA ヨコハマタイヤ
iceGUARD5 PLUS アイスガードファイブプラス
GOODYEAR グッドイヤー
ICE NAVI 6 アイスナビ シックス
TOYO TIRES トーヨータイヤ
OBSERVE GARIT GIZ オブザーブ ガリットギズ
DUNLOP ダンロップ
WINTERS MAXX02 ウィンターマックスゼロツー
スタッドレスタイヤを比較するポイント
比較を始める前にスタッドレスタイヤを比較するポイントを紹介いたします。
何を重視してスタッドレスタイヤを選ぶかを予め考えると選びやすくなるはずです。
氷上性能
スタッドレスタイヤを選ぶ上で一番気になるところではないでしょうか。
日本国内は降った雪が気温が上昇することで一度溶け、再度明け方などに気温が下がると氷になることが多くあります。
いわゆるアイスバーンというやつですね。
車でこのアイスバーンの上を走行する時が最もヒヤッとするかと思います。
氷上性能は文字通り氷の上での性能です。
この部分はしっかりとチェックしておきたいですね。
雪上性能
もちろん氷の上だけではなく、降り積もった雪の上での性能も大切です。
雪が深い場所に行くと、タイヤが空転してスタック(空回り)するようなこともあるかと思います。
ふかふかの雪の上だからこそ、しっかりと車をコントロールできるよう雪上性能も確認しておきましょう。
寿命
スタッドレスタイヤは一般的に2年から3年ほどの寿命と言われています。案外短いものですね。
スタッドレスタイヤは厳しい寒さの状態でも雪や氷に食い込むように特殊な配合のゴムを利用して柔らかくなるように作られています。
時間が経つとこれがどんどん硬くなってしまうため性能が大幅に落ちてしまうわけです。
最近ではこのゴムの硬化を防ぐためにメーカーによって様々な技術が用いられるようになってきています。
また、減りやすいと言われるスタッドレスタイヤですが、最近では摩耗が遅く溝が少なくなりにくいものもあります。
タイヤの「もち」を重視する方はこの部分をチェックしておきましょう。
燃費性能
以前はスタッドレスタイヤというと夏タイヤとくらべて燃費が悪くなると言われていました。
最近ではスタッドレスタイヤでも燃費が良いものが出てきています。
特にここ最近のスタッドレスタイヤ新商品では燃費性能はキーワードになっていると言っても良いでしょう。
雪が多く降らない地域にお住まいで燃費性能を重視するという方にとっては注目ですね。
価格
そしてもちろん価格は重要です。
多くのタイヤを見てきた私自身の実感としてですが、「タイヤは値段に性能が比例しやすい」商品と言えます。
これはスタッドレスタイヤだけではなくすべてのタイヤに言えることでもあります。
高い商品にはそれを裏付ける理由があります。安い商品もまた然りです。
財布と相談して自分が必要としている商品を見極めて購入しましょう。
では、それぞれのタイヤがどのような特徴があるか見てみましょう。
ブリヂストン
BLIZZAK VRX ブリザック ブイアールエックス
2013年発売のブリジストンのスタッドレスタイヤです。
綾瀬はるかさんがイメージキャラクターを務めています。
メーカーによると
- 全国装着率No.1
- 北海道、北東北主要5都市での装着率14年連続No.1
- 北海道タクシードライバー装着率No.1
という実績があるとのことです。
これだけの実績があれば信頼がおけるタイヤということがわかりますね。
ゴムは「アクティブ発泡ゴム」といって表面から内部にかけて細かい気泡のような穴があります。
氷は濡れていると滑るので、この細かい穴が氷の表面の水を吸いタイヤが氷に密着することでグリップ力を高めています。
氷上でのブレーキ制動はひとつ前のモデル(BLIZZAK REVO GZ ブリザックレボジーゼット)と比べて10%短縮しているようです。
トレッド部分のパターンは外側と内側で非対称になっていて、外側が氷上性能、内側が雪上性能をそれぞれ発揮できるように作りこまれています。
また、2016年のメーカーカタログ上では4年経ってもゴムが固くならず、新品時と同様の性能を発揮できることがうたわれています。
ちなみに2015年のカタログでは同商品で「3年」と表記されていました。
(同じタイヤですので、正直なところ「表記だけ1年伸びたのでは・・・?」という疑問が残ります。)
燃費性能は同社の低燃費タイヤであるECOPIA PZ-Xと汎用タイヤのB'STYLE EXの間の性能です。
低燃費ラベリング制度上ではAA(もしくはA)とラベル無しの間ということになりますので、「A」~「B」くらいになると想像します。
ヨコハマタイヤ
iceGUARD5 PLUS アイスガード5プラス
2015年発売のヨコハマタイヤのスタッドレスタイヤです。
前モデルからのマイナーチェンジというポジションです。
大きなコンセプトとして
- 氷に効く
- 永く効く
- 燃費に効く
という三つの柱を打ち出しています。
氷に効く
「スーパー吸水ゴム」という素材を使い、ひとつ前のモデルであるice GUARD5(アイスガード5)よりも7%氷上での制動が短くなっています。
このスーパー吸水ゴムはブリヂストンのアクティブ発泡ゴムと同様にゴムの中に沢山の細かな穴があることに加え、水分を吸収し氷の路面の密着するゲルが含まれていることが特徴です。
トレッドパターンはブリヂストンと同様にやはり外側が氷上性能、内側が雪上性能を発揮するように設計されています。
永く効く
特徴的なのはこの「永く効く」というところかと思います。
4年後でも高い性能で使い続けていられるというように、他のメーカーよりも長い寿命を誇ります。
スタッドレスタイヤは安い買い物ではないので、使用できる期間が3年か4年かでは大きな違いです。
長い目で見ると他のメーカーよりも1年長く使えるこのタイヤはコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
燃費に効く
燃費性能は同社のスタンダードエコタイヤであるES31 ECOSと同等としています。
これは低燃費ラベリング制度上では「A」にあたります。
燃費性能の意味でも高いレベルにあると言えます。
グッドイヤー
ICE NAVI 6 アイスナビ シックス
2013年発売のグッドイヤーのスタッドレスタイヤです。
前モデル(ICE NAVI ZEA Ⅱ)に比べ氷上・雪上性能、タイヤ寿命、ドライ・ウェット路面でのハンドリング、といった三つの要素を重点的に進化させたタイヤです。
アイスナビシックスはアクアフィラーという氷上の密着性能を高めたゴムと、NAVIブレードという氷上でのひっかき効果を高めるパターンを採用しています。
このあたりの考え方はダンロップのウィンターマックスと非常に似ていますね。
氷上でのブレーキ制動距離はICE NAVI ZEA Ⅱ(アイスナビ ゼアツー)に比べ10%短くなっています。
タイヤの寿命はゴムと一緒に混ぜ込んでいる成分を変えることで摩耗しづらい作りになっており、35%性能が向上しているということです。
燃費性能としては同社の「エコグレード」商品として、自社基準上のエコ商品と位置づけていますが、詳しい性能に対する言及はありません。
トーヨータイヤ
OBSERVE GARIT GIZ オブザーブ ガリットギズ
2014年発売のスタッドレスタイヤです。
冬道専用タイヤということにこだわり、「吸水」「密着」「ひっかき」という三つの角度からアプローチした商品です。
吸水
ブリヂストンのブリザックVRXやヨコハマタイヤのアイスガード5プラスのようにタイヤ内に細かな穴を作り、氷上の水を吸水します。
これによりアイスバーンなどでも滑らずに走行できるようになるようです。
密着
ダンロップのウィンターマックスやグッドイヤーのアイスナビ6のように氷上に密着するゲルがタイヤに含まれています。
氷点下でもゴムが柔らかい状態を保ち、しっかりとグリップすることで氷上性能を高めています。
ひっかき
鬼クルミの殻をタイヤのゴムに混入し、直接氷をひっかきます。
この鬼クルミの殻を使うのはトーヨータイヤのお家芸とも言えます。
これらによってガリットギズは前モデルのGARIT G5(ガリットジーファイブ)よりも氷上での制動は10%短縮しているようです。
燃費性能としては同社のNANO ENERGYとTEOplusの間ということです。
NANO ENERGYのどの商品と比較しているのかわからないため詳しいことはわかりませんがTEOplusがラベル無しということを考えると「A」~「C」程度だと想像します。
なお、タイヤの寿命に関する言及はありませんでした。
ダンロップ
WINTERS MAXX02 ウィンターマックスゼロツー
2016年発売のダンロップのスタッドレスタイヤです。
今回比較する中では一番新しいタイヤですね。
ウィンターマックスゼロツーは「超密着ナノフィットゴム」というゴム素材を採用しています。
ゴム全体は剛性を残したまま、マクロレベルで見ると接地面のみ柔らかくするという方法で、氷に密着させてグリップ力を高めています。
また「MAXXグリップパターン」という新しいトレッドパターン(接地面)設計を採用し接地面積を増加させています。
特徴的なのはロングライフと打ち出している摩耗性能の高さです。
二つ前のモデルであるDSX-2と比べ約1.5倍長く使うことができるとされています。
メーカーカタログ上にはそれぞれ13,000km走行時のタイヤの写真が乗っていますが、その差は大きいですね。
また、新採用の軟化剤「しなやか成分」で長い間氷上ブレーキ性能が落ちずに利くとうたっています。
燃費性能としては同社のEC203(AA)とEC201(ラベル無し)の中間としての位置付けです。
低燃費性能としては「A」~「C」くらいであると予想されます。
比較表でみるスタッドレスタイヤ
ここまでの内容を比較表にまとめてみました。
ある程度は私の主観が入っていることをご了承ください。
ブリヂストン BLIZZAK VRX | ヨコハマタイヤ iceGUARD5 PLUS | グッドイヤー ICE NAVI 6 | トーヨータイヤ OBSERVE GARIT GIZ | ダンロップ WINTERS MAXX02 | |
---|---|---|---|---|---|
タイヤ素材 | 吸水系 | 吸水&密着 | 密着系 | 吸水&密着&異物混入 | 密着系 |
氷上性能 | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
雪上性能 | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ |
燃費性能 | A~B ※予想 | A | - | A~C ※予想 | A~C ※予想 |
寿命 | 4年間性能キープ | 4年間性能キープ | 摩耗しづらい | - | ライフが長い&効き長持ち |
市場価格順位 (高い順) | 1 | 2 | 5 | 4 | 3 |
※画面の幅がせまい場合は表を横にスクロールできます
まとめと店員としてのおすすめ
いかがでしたでしょうか。
一口にスタッドレスタイヤと言ってもかなり商品によってその特色が出ますね。
最後に私のオススメを記載しておきます。
まず最初にあげるのは燃費性能と寿命に秀でているアイスガード5プラスです。
価格としては高めではありますが、氷上性能を含めた総合性能を鑑みてイチオシです。
次いでブリザックVRX。こちらも価格面が多少気になるところではありますが、やはり氷上性能においては定評があります。
北国装着率No.1の実績を見ても安心感が違いますね。
摩耗の遅さを重視するのであればウィンターマックス02がおすすめです。
雪道をあまり走らず、乾燥路面を走ることが多いようであればタイヤの減りが遅いこのスタッドレスがぴったりでしょう。
コストパフォーマンスで選ぶならガリットギズ。
性能では前述の2つと比べると見劣りしますが、価格とのバランスはとても良いと思います。
コスト重視でいくならアイスナビシックス。
普段使いする程度であれば全く問題なく、十分に使うことができるタイヤです。
その上価格の面でも優位性があると思います。
こんなところでしょうか。
スタッドレスタイヤ選びに少しでもお役に立てれば幸いです。
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