タイヤは基本的にサイズや扁平率によって金額が異なりますが、同じサイズでもメーカー内のブランドや種類によって価格に大きな差があります。
SUVやスポーツカーなど各ジャンル毎の車の性能を引き出すことに特化したタイヤなども増え、ラインナップも充実してきました。
しかしその分、値段が高かったり安かったりと様々なタイヤが存在します。
この違いは一体何なのでしょうか。
そこで本記事では、同メーカーの値段の高いタイヤと安いタイヤはどう違うのかについて詳しく解説していきます。
もくじ
タイヤに求められる基本的な役割
まずはタイヤに求められる基本的な役割を見ていきましょう。
タイヤは大きく次の4つの役割を担っています。
- 車体の重量を支える
- 駆動力・制動力を伝える
- 路面からの衝撃をやわらげる
- 進行方向へ曲がる・進む
タイヤは唯一地面と接点を持つ部品で、車体自体はもちろん、乗客や荷物の重さも全て支えています。
なおかつその状態で、エンジンやブレーキなどからのアクションやドライバーのハンドル操作なども路面に伝えています。
ほかにもタイヤは空気が入ったタイヤは路面からの衝撃をやわらげる緩衝材役割も担っています。
このように、一見するとタイヤはただの柔らかいゴム製品のように思うかもしれませんが、各メーカーは上記の役割を最大限発揮するために日々企業努力を重ねています。
タイヤに求められる8つの性能
上記でご紹介した役割は、タイヤとしての最低限の機能となります。
それに加え、現在のタイヤは次の8つの性能を追加しています。
- ドライ性能
- ウェット性能
- 操縦安定性
- 高速安定性
- 乗り心地
- 静粛性
- 耐摩耗性能
- 低燃費性能
※ヨコハマタイヤのホームページより
これら8つの性能のバランスで、タイヤのキャラクターが決まります。
例えばサーキットでのラップタイム向上に重点を置いたスポーツタイヤを開発するのであれば「ドライ性能」に特化したタイヤを開発します。
また、高級セダンに求められるコンフォート性能を求めたタイヤを開発するのであれば「乗り心地」や「静粛性」などの性能を高めたタイヤを開発します。
タイヤメーカーはランクに分けたタイヤ設定をしている
もちろん全ての性能を100%のタイヤを作れるのが理想的ですが、現実的に考えるとなかなかそうはいきません。
価格と性能のバランスを考える必要もありますし、装着車両に適した性能を持たせる必要もあります。
タイヤに求めるも性能千差万別ですので、それに合わせて様々なランクのタイヤを用意する必要があるのです。
そこでタイヤメーカーは、タイヤを作る際に次のようにランク分けを行います。
このランク分けが、同一メーカーの中でもタイヤの価格が大きく異なる一番の要因と言えます。
順に詳しく見ていきましょう。
1.プレミアムタイヤ(高いタイヤ)
プレミアムタイヤは、ベーシックタイヤの持つ「基本性能」に「付加価値」がプラスされたタイヤです。
例えば乗り心地や静粛性に優れた「コンフォートタイヤ」やグリップ力の高い「スポーツタイヤ」など、基本性能からさらに特定の性能を上乗せしたイメージのタイヤです。
それ以外にも、ランフラット構造など、特殊な構造をしたタイヤもプレミアムタイヤに分類され、ノーマルタイヤと比べて価格は高めになります。
2.ミドルレンジタイヤ(中間クラスのタイヤ)
プレミアムタイヤとベーシックタイヤの中間ランクに位置付けられるのがミドルレンジタイヤです。
ミニバンやコンパクトカー、SUVなどのように車の特性に合わせて専用に開発されたタイヤが多くランナップされています。
車の性能を十分に活かすことができる性能を持っています。
ブリヂストンではこのクラスのタイヤを、新車装着タイヤと同等の性能を持っていると表現しています。
3.ベーシックタイヤ(安いタイヤ)
タイヤの基本的な役割を果たすための最低限の機能を持ったタイヤで、値段が安いことが大きな強みです。
国内、大手タイヤメーカーはこのランクでも低燃費タイヤ(ラベリング制度)になっています。
ラベリング制度と低燃費タイヤ
ラベリング制度は購入者にタイヤの性能がわかりやすく伝わるように「転がり抵抗性能」と「ウェットグリップ性能」を等級分けして表示する制度です。
「転がり抵抗性能」がA以上+「ウェットグリップ性能」がa~dの範囲内にあるタイヤが「低燃費タイヤ」と定義されています。
JATMA「低燃費タイヤ等のラベリング制度」
大手タイヤメーカーの代表的なタイヤをランク別に見ていきましょう
先ほどご紹介した3つのランクに、大手タイヤメーカーの代表的なブランドや商品を当てはめてみます。
※種類やサイズによって価格が細かく分けられているため、種類によってはランクが逆転する場合もあります。
ブリヂストン
- プレミアム・・・レグノ(REGNO)、ポテンザ(POTENZA)
- ミドルレンジ・・・エコピア(ECOPIA)
- ベーシック・・・ニューノ(NEWNO)
ブリヂストンでは高いコンフォート性能を持つ「レグノ」とスポーツカー向けの「ポテンザ」がプレミアムタイヤとして位置付けられており、低燃費や安全性、ライフ性能を追求した「エコピア」がミドルレンジタイヤとしてラインナップされています。
2023年に新しく登場した「ニューノ」は、ベーシックタイヤでありながら、低燃費性能とウェットグリップ性能、ロングライフ性能を両立しており、コストパフォーマンスは非常に優れています。
ヨコハマタイヤ
- プレミアム・・・アドバン(ADVAN)
- ミドルレンジ・・・ブルーアースGT、ブルーアースAE01F、ブルーアースRV RV03
- ベーシック・・・ブルーアースES ES32
モータースポーツで培った技術が投入された「アドバン」が、ヨコハマタイヤのプレミアムタイヤに位置付けられます。
ミドルレンジには低燃費タイヤのブルーアースシリーズの3種類がラインナップされています。
また、ブルーアースES ES32は低燃費タイヤにもなっており、価格も含めて非常に経済的なタイヤです。
ダンロップ
- プレミアム・・・ビューロ(VEURO)、SPスポーツマックス(SPORT MAXX)
- ミドルレンジ・・・ルマンV、エナセーブEC204、エナセーブV505
- ベーシック・・・エナセーブEC202L
ダンロップは高い操作性と静粛性を併せ持つ「ビューロ」とスポーツタイヤの「スポーツマックス」がプレミアムタイヤとなります。
また、コンフォートタイヤの「ルマンV」やロングライフの低燃費タイヤ「エナセーブEC204」やミニバン専用タイヤの「エナセーブV505」がミドルレンジとなります。
ベーシックタイヤの「エナセーブEC202L」は転がり抵抗が少ない低燃費タイヤですので、乗り味も優れています。
ミシュラン
- プレミアム・・・プライマシー(PRIMACY)、パイロットスポーツ(PILOT SPORT)
- ミドルレンジ・・・エナジーセイバー(ENERGY SAVER)
ミシュランは、コンフォート性能とウェットブレーキ性能が優れた「プライマシー」とハイグリップの「パイロットスポーツ」がプレミアムタイヤとなります。
安全性と省燃費性を備えなが、優れた耐摩耗性能も持つ「エナジーセイバー」はミドルクラスに位置付けられます。
まとめ:タイヤ選びは性能と価格のバランスを考えて選びましょう
タイヤはサイズや扁平率以外にも、同一メーカーの中でもブランドや種類によってもそれぞれ価格が異なります。
価格の違いは、そのタイヤに付加価値があるかどうかだと言えます。
高いタイヤはグリップが優れていたり、乗り心地が良かったりと、特化した性能を持っています。反対に、安いタイヤはタイヤとしての最低限の性能しか備えていません。
ただし、タイヤの価格は製造時の工数や原材料の値段、サイズなどの要素も含まれて決定されるため、必ずしも価格が高いタイヤが性能的に優れたタイヤだと断言することはできません。
そのため、価格はあくまでタイヤの性格の一部分と考えるようにし、最終的にはお車に見合った性能と価格のバランス両方が優れたものを見つけるようにしましょう。
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